昭和のヘアケア史:経済成長期を物語る6大ヘアケア商品

 

戦後、ヘアケア商品の多様化とともに、毎日シャンプーすること、朝起きてからシャンプーすること(朝シャン)が習慣化されてきました。

今回は昭和40〜60年代のヘアケア商品を、あの懐かしいフレーズとともにまとめてみました。

 

1.憂いを帯びたCMソングと、ご当地美女の後ろ姿の映像でヒット

 

ふりむ〜かないで〜 ○○(地名)の人♪」

 

ライオン ”エメロン”

こちらは元祖エメロンの画像。

 

振り向かないでのCMは、こちらのクリームリンスだったんですね。

 

ライオン公式サイト

 

ちなみに、エメロンのクリームシャンプーは、この時代ですでに弱酸性だったことを知り、衝撃を受けました。

 

上記サイトには、他にもライオンの商品画像が満載です!

この洗剤はうちにもありました。

「金・銀・パールプレゼント♪」のCMソング、覚えてますよね?

(商品名はダイヤでしたが・・・)

 

2.ミイちゃん、ケイちゃんの多彩な歌と踊りでヒット

 

「初めての春です♪ ダブルコンディショニング効果で髪いきいき、ツヤツヤ!」(ピンク・レディー)

 

牛乳石鹸 "シャワラン ビューティシャンプー&リンス”

「シャワラ〜ン ビューティー♪」の歌は覚えていても、メーカーは?の人が多いのでは。

 

牛乳石鹸共進社70年のあゆみ - 東京化粧品工業会

↑定番だった牛乳石鹸ほか、昭和レトロな商品画像、CM画像などが満載。

貴重な史料です!

 

3.フケを気にする女子高生やOL(死語)にヒット

 

「やだ〜、フケ? 昨日シャンプーしたばっかりなのに」

ジンクピリチオン(z-pt)がフケ、かゆみを止め、髪はしっとり」

 

花王 ”メリット シャンプー”

 

私の実家は両親・祖父母・叔父が同居しており、長いこと全員でこのシャンプーをシェアしていました。

私だけが別のシャンプーを使うようになったのは、高校生くらいからでしたかね?

 

花王は「ヘアケア祭り」や、”ルーネット”というオリジナル・ヘアブラシが当たるキャンペーンも展開していました。

このブラシは市販もされていて、かつて私も愛用。笑

なんと1980年にグッドデザイン賞を受賞していたようです。

グッドデザイン賞

 

花王公式サイト

 

↑こちらもまたこんな画像まで!!

見始めたらきりがないっす。

 

4.科学的アプローチでヒット

 

天使の輪が光るのは、キューティクルが健康だから」

「光ってますか、天使の輪」

「この美しいキューティクルが、シャンプーのときの摩擦でこんなに剥がれ落ちてしまいます」(剥がれ落ちたキューティクルの画像)

「キューティクルをキュッと守ると、キュートな髪になるのだ」(中森明菜)

 

花王 ”エッセンシャル シャンプー&リンス”

このCMで毛髪のキューティクルというものを知った人も多いはず。

この商品も、わりと長く実家の浴室にあったような気がします。

 

これは苦心して撮影した私のキューティクル画像。

 

5清潔志向を捉えてヒット

 

フケ、いやいや〜♪

清潔な髪って好きなんだなあ」(桃井かおり)

きれいな髪の人がいい♪」

 

ライオン ”エメロン エチケットシャンプー&リンス”

商品名の”エチケット”はレトロ用語のようにも思われますが、ITバブルの頃には"ネチケット”という造語が生まれ、現代でも”咳エチケット”、”エチケット袋"のように一部で使われており、死語化を免れています。

 

6.バブル時代、インパクトのあるコピーでヒット

 

ちゃん・リン・シャン。これは1本でちゃんとリンスしてくれるシャンプーです」(薬師丸ひろ子)

 

ライオン "ソフト・イン・ワン"

リンスインシャンプーの1つ。1989年発売。

前年(1988年)、資生堂も”リンプー”という”まんま”の商品名でリンスインシャンプーを発売しています。

が、「ちゃん・リン・シャン」がリズミカルで覚えやすいこともあり、ライオンの戦略勝ちだったように思います(パッケージデザインを変更し、現在も同じ商品名で販売されています)。

 

◉余談

私が小学生か中学生の頃、何かの懸賞でナショナルのホットカーラーのセットが当たったんです。

懸賞品としては、かなり豪華な品物でした。

強いくせ毛だったこともあり、かなり使った記憶があります。

同じものがフリマサイトに出品されていて、懐かしさで胸いっぱい(≧∇≦)b

 

80年代後期のヒット商品・ヒットCMとその後

 

バブル経済(1986年〜)真っ只中、深夜残業や午前様も珍しくない時代。

リンスインシャンプーは、洗髪時間を短縮できる点が注目されました。

 

「24時間戦えますか♪(時任三郎)」のCMソングが忘れられない栄養ドリンク、”リゲイン”もまた1988年に発売。

皮肉にも、その答えはすぐに出たのです。

同年、過労死が社会問題化し、「過労死110番」が開設されました。

私自身も例外ではなく、徹夜で仕事をすることがよくありました。

が、いっぽうで明け方まで大勢で飲んだりカラオケしたりと、遊ぶほうでもバブル社会を生きていたのでした。

 

謎多き昭和の男性用化粧品

 

昭和50年代のメンズがこぞって使っていたのがサンスターの”トニックシャンプー”

清涼成分が含まれていて、地肌がスーッとするらしい。

アメリカにはすでに”シーブリーズ”という商品があり、日本では1980年代に若者のあいだで人気が高まりました。

94年にシーブリーズからもシャンプーなどのヘアケア商品が登場し、現在に至ります(わが家でも真夏に愛用)。

 

いまだに謎なのが”オードムーゲ”です。

昭和レトロな薬局の前によく「オードムーゲあります」と書かれたのぼりが立っていましたが、いったい何なのか?

調べたところ、1953年発売。当時のメーカーは六曜製薬。殺菌・消毒・消炎作用のある「医薬品」でした。

現在は小林製薬の傘下に入り、ニキビや肌荒れ予防のための薬用ローションの他、泡洗顔料、薬用保湿化粧水、薬用スキンミルク、薬用スキンクリームなどのスキンケアラインを網羅しているようです。

 

昭和の男の髪型がカッコいい?

 

いまのメンズのあいだでは、昭和レトロな髪型がカッコいいと人気が高まっているようです。

 

リアル昭和生まれがイメージする当時の髪型といえば、パンチパーマ、リーゼント、オールバック、角刈り、坊っちゃん刈り、単に清潔そうなカット という感じで、いまいちわからず。

 

ですが、改めて当時イケメンだった方々の写真を見ると、確かにかなりカッコいい!!

昭和レトロな髪型がカッコいい理由とは【昭和生まれの男が画像をつかって語る】

要は、イケメンはどんな髪型をしようとカッコいいってことですかねー。

 

管理者プロフィール

@over50_wig
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。大手新聞社の月刊誌などで医療・健康分野を中心に取材活動を続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。近年は20〜30代のクリエイター取材にも取り組んでいます。

生まれつき強いくせ毛。年齢とともに髪が細く広がるようになり、雨と風の日はファッションウィッグを使用。介護施設で美容ボランティア(洗髪後のドライヤー係)、ウィッグサロンで販売と相談業務の経験あり。