顔つきの変化、体つきの変化。
「何を着ても似合わない!!」と感じ始めたのは、何年前のことだったでしょうか。
自分の体型に合う服を知るため、2022年から洋裁の通信講座(プロになりたい人向け)を受講して型紙作りから学んでいます。
おかげで服のいろいろなことが理解できるようになってきました。
50代にとって最も厄介なのが、体型を拾いまくるニット素材。
体型が出ないようにと、オーバーサイズのニットを選ぶとだるま化(着膨れ)してしまいます。
もう何年も前からニットを着ないで冬を越す方法を模索してきました。
が、やっぱり寒いのは我慢できないんです・・・。
ニットを着ても、体型を拾わない。
着膨れもしない。
行き着いたのは、やっぱり”定番おばコーデ”だった。
[おばコーデの例]
□薄手ニットの上にチュニック、シャツワンピース。
□薄手ニットの上にVネックのワンピースやジャンスカ。
□ニットの上にベスト、パーカー、ブルゾン。
答えはもうこれしかないです。
なので、あれこれ悩まずにこういうアイテムを揃えましょう。
注意が必要なのは選び方です。
◉シルエット
大きく分けて、Iライン/Aライン/コクーン。
リモンタコートワンピース
こちらはIラインですが、好みでウエストを絞ってAラインにすることもできるようになっています。
ダブルボタンコート風ワンピース
こちらはウエストがかなり絞られたAライン。
マキシ丈の縦長効果もあり、着痩せしやすいシルエットです。
自分の骨格と相性のよいシルエットを選ぶことが重要です。
Iライン:上半身に厚みがある場合(私)、長方形の箱のようになります。
Aライン:控えめなラインなら洗練されて見えます。
が、ギャザーでバストやウエストの上下が膨らむようになっていると着太りします。
コクーン:中央部分が膨らんで裾は少し細くなっているので、下半身が細い人、小柄な人に似合うことが多いです。
が、オーバーサイズだと単に着太りして見えます。
◉丈
50代以降は、ロング丈やマキシ丈のジャンスカ、シャツワンピースがこなれて見えやすいです。
シャツワンピースは好みの丈でよいですが、半端丈のジャンスカ、まっすぐなジレ、オーバーサイズのベストは避けたほうがよいです。
これらはボックスシルエットになり、かぶり型のエプロンをつけてキッチンに立つ昭和の奥さんみたいになってしまいます。
最近のベストやジレは、どの部分もただ一直線に裁断されているものが多いです。
脇も裾もまっすぐ。服というよりもただの布に近い。
ほぼ貫頭衣なんです。
なので、ジレは選択肢から外しておきます。
そして、ベストに限ってはロング丈でないもの、オーソドックスなテーラータイプが◎です。
ベスト VICTORIA
裾のラインも含め、上半身がきれいに見え、下半身が長く見えるよう設計されています。
ワイドパンツやロングスカートと相性がよいです。
ややゆとりのあるサイズを選べば、長め丈のシャツやブラウスとも合わせやすいです。
◉素材
厚地のウールなど、ハリがあって体型を拾わないものであることが必須です。
買う段階ではわかりにくいのですが、薄めの生地で静電気が起きやすい素材の場合、歩くたびに静電気が増強されて全身に貼り付き、体型が丸出しになることがあります。
静電気防止スプレーである程度は防げますが、試着だけでもバチバチするようなものはやめたほうがいいですね。
”おばコーデ”は退屈。
なので、たとえばスカーフやストールを足してみる。
このようなコーデって、体型カバーにもってこいなのですが、ものすごく退屈ですよね。
ポリエステルウール シャツワンピース
右へ倣えで楽なのですが、面白くはないです。
ひと工夫としては、共布ベルトでウエストマークをするとか、スカーフやストールを足すなどですね。
ハンドメンドのバッグなんかもいいと思います(安っぽくないものに限る)。
が、スカーフやストールも選び方・使い方に気をつける必要があります。
たとえば、若い頃には似合うと言われた大判ストールなんか、50代ではマダム感が増強されまくるんですよね(^^;)。
50代がスカーフ、ストールを選ぶときのポイント
◉大きさ
大きすぎるものはやめる。
そもそもジャンスカやジレなどは面積が大きくて布の存在感があるので、髪や首まわりをすっきりまとめたほうがバランスが良くなるわけです。
◉素材
大きく分けて、コットン/シルク。
しっかりしたコットンのスカーフ(というかバンダナ)は、色柄が豊富で価格も手頃。
ただ、生地がしっかりしているのできれいなドレープが出にくいという難点があります。
薄手の柔らかいコットンなら首のカーブにきれいに馴染みます。
↑とても柔らかいコットンのスカーフ。
いつ買ったか覚えていないくらい昔買ったもの。
なんと、縁は手まつりで仕上げられています。
ガーゼは柔らかく肌触りがよいですが、細かいシワが出やすいです。
ガーゼが向いているのはナチュラル系が似合うような人だと思います。
スカーフならば、やはりシルクが基本ですね。
きれいなドレープが出て首のカーブに沿いますが、巻き方によってはもっさりしがちです。
なお、同じシルク100%でもチャイナシルクは独特の光沢感があって人を選びます。
チャイナドレスを思い浮かべていただけるとわかるでしょうか。
◉色柄
広げて見た印象ではなく、巻いたり結んだりしたときにどんなふうに色柄が表に出るかを考えて選びます。
場所によって色を違えてあるデザインのものは、巻き方を変えれば違う色を表に出すことができるようになっています。
昔も今も女性に人気があるのは花柄。
ですが、この年代になると花や馬のように個体を描いたモチーフよりも、幾何学柄やリーフ柄、エスクニック柄など、文様のようなパターンもののほうが使いやすいと感じています(柄の大きさや巻き方などにもよるのですが)。
たとえば幾何学柄が似合う人
イタリア製スケールパターンショール
たとえばレトロ柄が似合う人
レトロ柄スカーフ<ブラウン> シルク100% 日本製
個人的には現代の新作よりもヴィンテージのスカーフが魅力的に映ります。
◉縁の処理
縁の処理は大きく分けて、フリンジ/ミシン縫い/手まつりとなります。
フリンジは丁寧に作られたものもあれば、雑に作られたものもあります。
いずれにしても、洗濯やアイロンがけが悪いとフリンジが崩れてしまうので、ないほうが無難です。
よい生地で作られたスカーフの縁は、手まつりで仕上げてあります。
ミシン縫いのスカーフは結んでも縁が直線的になりますが、手まつりのスカーフは巻いたときに縁に独特の柔らかさが出ます。
巻き方ひとつでこなれたり、もっさりしたり。
シルクのスカーフはエレガントさを強調するアイテムなので、中和したければネクタイ結び、ひと結び、バンダナ巻きなどにします。
古くさく見えない巻き方として参考になる外部記事
周りと差がつく「スカーフ」のおしゃれな巻き方&参考コーデ
きちんと結ぶよりもラフな感じにしたほうがこなれて見えますね。
スカーフといえばエルメスですね。
私は持っていませんが、新作を見るたびにワクワクします。
2023SSで面白いと思ったのは”ヤシの目録”。
大昔の博物書や本草書を思わせるシンプルなボタニカルの線画が古くて新しい。
デザイナーのこだわりによって、縁も丁寧に仕上げてあります。
管理者プロフィール
着用しているベストはMANGO
Kamiyama
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。医療・健康分野を中心に取材活動、コピーライティングを続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。また、さまざまな実用書のディレクションにも携わっています。
製作中のコートワンピース(画像は背中側)
自分が着たいシルエットで作っています。
市販の型紙(Aライン)をベースにして、ハイウエストの位置を少し内側に細くして着痩せするようにしました。
(共布ベルトがあれば普通のAラインでかまわないのですが、生地が足りないのでこうしました)
まだまだ途中。
シームポケット(今ここ)、見返し、袖、前立て、ボタンとボタン穴をつけます。
仕立て屋さんだった叔父の実家に残されていた高級服地を利用しています。
札に「ゼニア」と書かれていて、生地の端に刻印のプリントもあり、ゼニアとは何か?を調べてぶっ飛びました。
私ごときが家庭用ミシンで使ってしまって申し訳ありません(汗)。