間違いなく昭和に流行ったのに、リアル世代も忘れている髪型

 

昭和という時代はとても長いです(1926-1989)。

そして、1980年代くらいまでは素朴な髪型をしていたのが実際のところ。

海外で本格的にカット技術を学んだ美容師さんはほとんどいなかったし、パーマの技術も進んでいませんでした。

(くせ毛に対してストレートアイロンを使った施術が導入されたのも1990年代=平成になってから)

 

今回は当時流行したにもかかわらず、リアル世代でさえ忘れてしまっているものをまとめました。

 

はっきりと大流行した髪型については下記↓

昭和(1960年代〜80年代)の髪型:リアル世代がまとめてみた

 

なお、当時の女優やモデルさんたちがしている髪型=世間で広く流行った髪型とは限らないので、その点に留意してくださいまし。

 

1960年代

 

 ◉60'sボブ

 

海外の女優がしていた髪型。

後頭部にボリュームがあるというよりも、頭頂部を極端に盛り上げた一種の盛りヘア。

サイドは前下がりで少しカールがついています。

 

実際に近いイメージの画像

Buyee

 

 

画像はウィッグ商品のものですが、これが実際に流行っていたものに近いので載せました。

私の母や妹(叔母)も、当時の写真を見るとこんな髪型をしていました。

これは当時の女子の間でものすごく流行ったそうで、ミニスカートを履き、スカーフを”真知子巻き”にしたりしていたんです。

 

◉キスカール

 

ショートカットで、もみあげ部分をアルファベットのCの形にカールさせた髪型。

日本では歌手や女優、プロボウラーでベリーショート+Cカールの髪型をしている人がいたようです。

 

1970年代

 

◉ぱっつり三つ編み

 

三つ編みは古代から世界各地で見られた髪型。

ですが、1970年代の日本ではリンリン・ランランという双子のポップ・デュオがデビュー曲「恋のインディアン人形」を歌ったときにしていた髪型。

つまりこのときの三つ編みはネイティブ・アメリカンをイメージしたものでした。

 

2人の人形のような踊りと、少したどたどしい日本語がとてもかわいく、たちまち大人気になりました。

その影響もあったのか?当時小学生だった私の髪を、母がよく三つ編みにして学校へ行かせていました。

同時期、近所に住んでいる社会人らしき若い女性も三つ編みにしていていたので、大人の間でも少し流行ったのかもしれません。

 

当時の三つ編みは、ぱっつりとしたセンターパート。

規則正しくブロッキングして、ギュッと編むというもの。

現代の三つ編みとはだいぶ異なります。

 

1974年に登場したサンリオのキャラクター、パティ&ジミーのパティもセンターパートの三つ編みをしています。

公式サイトによると「アメリカのカンザスシティに住んでいるラブラブカップル」だそう。

幼馴染にしか見えなかったが、早熟カップルだったのか・・・。

サンリオ公式サイト

 

ところで三つ編みの検索をしていたら、カントリー歌手ウイリー・ネルソンの三つ編み画像がヒット。

グレイヘアの三つ編みにウエスタン・ハット、似合いすぎるんですが!!!

女性は年をとると顔つきが男性化していくので、私こういう方向を目指そうかなあ。

 

似合いすぎる三つ編みおじいの画像

Sony music

 

1980年代

 

◉50'sポニーテール

 

横浜銀蝿のファンなど、ロックンローラー(ローラー族)の女子の間で人気が出た髪型。

後頭部の高い位置で一つに結び、結び目に大きなリボンをつける。

公園などに集まり、アメリカン・フィフティーズの音楽をかけて、フリルのスカートを揺らしながら踊っていたようです。

 

1981年の大ヒット曲「キッスは目にして」(The Venus) Doo Wapバージョンのジャケット

Amazon

 

当時のリアルな画像が見られる日刊ゲンダイの記事

夢と残酷の1980年代芸能史

 

こういうポニーテールも私のまわりにはいなかったのですが、当時のコミックにはリーゼント男子✕ポニーテール女子というカップルが描かれることが多かった。

少し上の世代で流行っていたのだと思います。

 

Amazon

「ハイティーン・ブギ」 映画は1982年公開

 

Amazon

「ときめきトゥナイト」 1982年連載開始

 

ロックンロールブームは、1950年代のアメリカで流行ったロカビリーが形を変えて日本でリバイバルブームを起こしたもの。

1985年公開のアメリカ映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も後押しになっただろうと思います。

なぜなら、主人公が1955年にタイムスリップするお話だから。

 

 

「'50年代に学生だった」という設定のママもポニーテールをしていますね。

が、この映画を見ればわかるように、ロカビリーの間ではやった髪型はポニーテールだけではありません。

伸ばした髪を結ぶだけでOKのポニーテールが日本人にとって手軽だったんでしょうね。

 

◉黒髪かっちりボブ

 

'70〜'80年代にかけてモード界で人気が高まった髪型。

今もコシノジュンコさんがしています。

1972年、日本人として初めて山口小夜子さんがパリコレに起用された際、切れ長の目とこの髪型で登場し、日本人ブームを引き起こしたことで知られています。

 

Amazon

 

画像たくさんあり

山口小夜子さん所属事務所のサイト

 

「なるほど・ザ・ワールド」に出演していた楠田枝里子さんも、この髪型がトレードマークでした。

人を選ぶ髪型のため、一般女性のあいだで広く流行ったわけではないと思いますが、私の身近では唯一、東ドイツ(当時)に移り住んだ親戚女性がこの髪型でした。

その形状と、鉄のような信念を抱く人という意味合いで、身内から”鉄兜”と呼ばれていました。

 

画像あり

コシノジュンコさんの公式サイト

 

◉ソバージュ

 

美容業界ではきちんとした定義があっただろうと思いますが、素人の私からすれば「細めのロットできつく巻いたロングのカールヘア」として見えていました。

ヘヴィ・メタルの人たちの髪型(ありのままのくせ毛・長髪)をきれいに整えたようなルックなのですが(失敬)、前髪にもパーマをかけて立ち上げるのがソバージュの特徴で、その前髪は「トサカ前髪」と呼ばれていました。

 

この髪型はバブル時代に大流行したのですが、当時学生だった私はもちろん、私のクラスメイトもソバージュではありませんでした。

なので、少し上の世代で流行ったと思います(バブル全盛期に社会人だった世代)。

芸能人では工藤静香さんがこの髪型で知られていましたね。

 

ソバージュヘアの詳しい解説があるサイト

あの頃のヘアスタイル辞典
80年代ソバージュヘア

 

★フラッパー='80年代に日本で流行った髪型 ではない

 

フラッパーを「1980年代に流行した髪型」と書いているサイトがありますが、正しくは1920年代に欧米で流行したファッションや生活スタイルのこと。

特定の髪型を指しているわけではありません。

当時のフラッパーが好んだ髪型がショートボブなどで、Wikipediaによると「指と櫛でウェーブをつけるフィンガー・ウェイブが多用された」とのことで、日本で'80年代に波打つようなウェーブのショートボブが「フラッパー」という呼び名で登場。

それが「ソバージュ」という呼称に変わったようです。

 

今回はリアル世代でさえ忘れてしまっている昭和の髪型をまとめてみました。

なお、ソバージュは今でも希望する人がいるそうで、若手の美容師さんもソバージュの技術を習得している必要があると聞いたことがあります。

 

管理者プロフィール

Kamiyama
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。医療・健康分野を中心に取材活動、コピーライティングを続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。また、さまざまな実用書のディレクションにも携わっています。

生まれつき強いクセ毛。雨と風の日はファッションウィッグを使用していました。が、カットとシャンプーを変えてからはくせが出にくくなりました。ウィッグサロンで販売と相談業務の経験あり。