本日は家族が見舞われている円形脱毛症について、実例をレポートします。
エビデンスのないサプリ・治療情報に要注意!!
まず最初に書いておきたいと思います。
円形脱毛は単発・軽症の場合には自然治癒しやすいですが、数が2~3個と増えて多発してしまうと治りにくいようです。
「必ずこれだと効果がある」といった確実な治療方法がなく、対症療法的に実施しているのが現状だそうです。
自然に治らずに数が増えたり、範囲が広がってしまう場合、円形脱毛症を多く診ている皮膚科を受診することが考えられます。
が、保険外診療(保険がきかない高額な治療)に力を入れているようなクリニックは避けるのが賢明です。
心理的な焦りや不安が強くなるほど正常な判断ができにくくなるので、この点は注意してください。
私自身、治りにくい湿疹(難治性痒疹)で何年も皮膚科に通院していた当時、ネットに出ていた謎のクリニックに行ってしまい、1回の問診とお茶(普通の健康茶)に数万円払ったことがあります・・・。
今思えば、釣りの書き込みに誘導されたのだと思います。
ここから本題です。
円形脱毛の一因は、遺伝や自己免疫疾患
上記から抜粋すると下記の通りです。
円形脱毛症は毛を作る毛包周囲に炎症が起き、一部のリンパ球が毛包の組織を壊そうとする自己免疫反応が起きており、その影響で毛が抜けてしまう病気です。
円形脱毛症を発症しやすい遺伝的な体質を持っている場合があります。
アトピーの素因、甲状腺の病気や膠原病との関連もいわれています。
円形脱毛症は、軽症で脱毛斑が少なければ、治療を行わなくても自然に治ることが多く、たいていは数週間のうちに新しい髪が生えてきます。
当事者の体験談を知りたい場合などは下記をご覧ください。
自己免疫疾患が発症するきっかけ(1)
ストレス
私の家族(夫)は若い頃から円形脱毛症が出やすい体質です。
頻繁ではないのですが珍しくもなく、行きつけの理髪店でも「よくなるね」と言われるくらいです。
職場でストレスが強くかかると発症することが多く、たとえば席換えや異動でストレス源がなくなると治り、その間は脱毛しなくなります。
日々のストレスがうまく発散できていないことも悩みの一つではあるようです。
若い頃から趣味でバンド活動をしているのですが、メンバーの異動や体調不良などで思うような活動ができなくなり、こうした状況も無関係ではないように思います。
自己免疫疾患が発症するきっかけ(2)
紫外線
夫は脱毛以外にも、顔面と頭皮に紅斑(環状紅斑)が出て何年も治らなかったことがあります。
外出すると、まわりの人がビクッとするほどひどい症状でした。
病院で検査したところ、全身性エリテマトーデス(難病)ではなかったのですが、自己免疫疾患と説明されました。
これについては、強い紫外線が一因とのことです。
じつは昔、海外でラフティングをしたときに夫は日焼け止めを塗るのを嫌がり、土偶のように真っ黒になり、顔がただれたことがあったのです。
現地の人でさえ、それを見て「おお・・・」とドン引きしたほどです。
日焼けをすると、何年か後にシミになって出ることはよくありますね。
ひどい日焼けは、何年もたってから何らかの皮膚症状を引き起こす可能性があるのです。
強い紫外線は皮膚がんや日光アレルギー、目の疾患(白内障)などのきっかけにもなります。
将来の自己免疫疾患を予防するうえでも、紫外線対策は絶対に必要です。
近年は日傘男子がちらほら見られますが、恥ずかしがらずにどんどん使ってほしいです。
少なくとも頭皮や顔の皮膚を保護する帽子を必ずかぶってほしいと思います。
[参考:顔の紅斑の経過]
病院で基本的に治らないと言われ、大量のステロイド内服薬を処方されましたが、症状に変化がなく、通院を勝手にやめてしまいました。
ちょうどその頃、世の中で禁煙の動きが拡大。
流れでタバコをやめたところ、なぜかそれを境に症状が軽くなり、やがて全く出なくなりました(禁煙で治ったのかどうかはわかりません)。
治っても紅斑の跡は色素が抜けてしまい、真っ赤だったのが今度は白い斑のようになり、これも人に驚かれていました。
が、時間をかけて少しずつ目立たなくなりました。
薬の副作用で脱毛した話
ウィッグサロンで働いていた当時、売り場を通りかかった女性からこんな話を聞きました。
「突然、円形脱毛症になってウィッグを使っているんだけどね、その原因がじつは薬の副作用だったの」
その薬を飲み始めてから髪が抜けるだけでなく、爪も剥がれてきたそう。
「別の病院でそのことを相談したら、薬をやめてもいいって言われたの。
で、やめたら元に戻ってきたのよー」
私のまわりでも円形脱毛症になった人がいますが、どの人も恋愛や仕事のストレスが背景にありました。
なのでストレスでなるイメージが強かったのですが、処方薬の副作用でなることもあると知って驚きました。
ネットで調べたところ、抗がん剤のほか、抗うつ剤、血圧や心臓の働きをコントロールするための薬などで円形脱毛症の副作用が報告されているようです。
別の病院で「飲まなくてもいい」と言われたということは、治療というより予防的に処方された薬だったのかもしれません。
ある程度の年齢になると、血圧や血糖などをコントロールするための薬を処方されるようになってきます。
薬を長く服用すれば当然ながら副作用が出やすくなりますし、処方される薬の種類が多くなれば飲み合わせによる作用にも気をつけなくてはなりません。
高齢になれば誰にでも起こり得る話だと思います。
おかしいなと思ったら勝手に服薬を中止するのではなく、まずは病院で相談するといいですね。
自分で見ることができる場所にあると治りにくい
いま夫が発症中の円形脱毛は、鏡を見て自分で確認できる場所(生え際の上部)にあり、風が吹くと丸見えになるため、人からも気づかれやすいです。
↑本人の了解を得ています。
2023年6月24日撮影
鏡を見るたびに目に入るので、円形脱毛があることをどうしても意識します。
そして人目につかないよう、必死で髪のセットを工夫しています。
撮影から1カ月以上たち、この部分には少し新しい髪が生えてきましたが、その横にまた新しい脱毛が発生。
その後、あとからできたほうも後追いで少しずつ生えてきました。
2023年9月25日現在(約3カ月後)、脱毛箇所は新しく生えてきた髪によって目立たなくなっています。
画像の場所にできる前には襟足にできていたのですが、上に生えている髪で隠れるので人からも気づかれない状態でした。
自分では見えない位置だったこともあって、気に病む様子がなく、かなり短期間で元に戻っています。
このように、円形脱毛を気にすると、治るのに時間がかかるという傾向が見られます。
今秋、社内の再編成が予定されていて、部署の引っ越しや席替えの可能性があるらしいので、環境が変われば改善するかもしれません。
が、この先も数が増えるようなら皮膚科へ行くことを勧めるつもりです。
トントン叩き続けたら生えてきた話
職場の同僚でも同じ症状を経験している人がいて、ボールペンの先(軸を引っ込めた状態)でトントン叩いていたら割とすぐに生えてきたと言っているそうです。
そこで夫も指先で叩いて刺激しています。
やはり頭皮刺激(血行を良くすること)は発毛に良いようです。
ただし、皮膚を傷をつけないようご注意を。
大量の脱毛や局所的な脱毛はとても憂鬱なものです。
円形脱毛が自分で見ることができる場所にあると、常に気になるものだと思います。
うまく隠れない場合は、ウィッグサロンで部分ウィッグを探してみてもいいのかもしれません。
市販の状態のままつけると違和感が出やすいので、自分の髪につけたときに違和感が出ないように、ウィッグをカットしてもらってくださいね。
生えている髪に人工毛を植え付ける”増毛”もあります。
サイト内記事
これらは薬剤を使わないので、安全性が高い方法です。
気にせず過ごすことによって、治りが早くなるということがあるかもしれません。
管理者プロフィール
Kamiyama
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。大手新聞社の月刊誌などで医療・健康分野を中心に取材活動を続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。絵の描き方など実用書の編集も行っています。
生まれつき強いくせ毛。年齢とともに髪が細く広がるようになり、雨と風の日はファッションウィッグを使用。介護施設で美容ボランティア(洗髪後のドライヤー係)、ウィッグサロンで販売と相談業務の経験あり。