50代から「ムダにならない学び直し」とは?

 

最近、社会人の「学び直し」「リスキリング」「リカレント教育」が必要だといわれるようになってきました。

 

が、人生の折返し地点に立つ世代は、何をどう学び直したらいいんでしょうか?

「50代からはムダにならない学びが必要」という指摘があります。

 

ひろ子ママのブログ

学び直しが必要だと言われる今、50代から必要なのは「ムダにならない学び」です~50代からのちょっとワガママな生き方~Vol.91〜

 

 

学び直しの目的を明確にする

 

・キャリアアップ、キャリアチェンジのため

・できるだけ長く収入を得続けるため

・人生100年時代、退職後の人生を充実させるため など

 

資格を選ぶ前に戦略を練る

 

資格を取るといっても、そもそも求人が少ない資格や、思ったほど収入が上がらない資格というようなものもあります。

その場合は、払った受講料や登録料がムダになってしまいます。

事前によく調べたり、キャリアカウンセラーに相談するなどして戦略を練ることが大切です。

 

知人女性で、FPの資格を取って開業したものの十分な収入が得られないといって、法律試験を受けて弁護士になった人がいます(ものすごい才女です)。

 

◉学び直す意欲はあるが資金面で躊躇しているという方は、下記をチェックしてみてください。

厚生労働省 教育訓練給付制度

 

厚生労働省は、労働者の主体的なスキルアップを支援するため、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した 方に対し、その費用の一部を支給する制度を設けています。

資格習得のための講座だけでなく、専門学校・大学・大学院といった教育機関での学び直しも給付の対象となっています。

 

キャリアを生かして講師で稼ぐ

 

『おらおらでひとりいぐも』で芥川賞を受賞した若竹千佐子さんは、幼い頃から「小説家になる」という夢を持ち続け、55歳の時に早稲田大学の公開講座(小説講座)に通い始めたことで知られています。

「小説を書いてみる」が目標だったのではなく、「小説家になる」を目標にしていたのです。

 

このように、好きなことを極めて収入を得る、本業として成り立つレベルを目指すスペシャリスト志向の人は増えていると思います。

ということは、スペシャリストを育てる講座に対するニーズも高まっているわけです。

私たちが50代までに蓄えた知識やスキルを教わりたい人もたくさんいるはずなのです。

 

講師として稼ぐには

・講師として信頼される実績をアピールする

・目標設定をして、受講者とともにその実現を目指す(すでに実績があれば実績を明示する)

・レベルの高い教材や、教えるスキル(デジタルツールを使いこなす等)が必要

 

講師の仕事は大変そう!と思われるかもしれませんが、自身の持っている知識やスキルを動画やテキストにまとめてデータを有料で販売すれば、日時や場所に縛られて仕事をする必要はありません。

(追加学習のためのオンライン講座を定期的に開催したり、受講者からの質問にていねいに答えるなど、こまめにフォローアップを行う必要はあります)

 

一例として、私が2022年1月から受講している洋裁講座は、週に2〜3回のペースで動画が送られてきて、受講者が自分のペースで学べるしくみになっています(リアルなスクールもあります)。

この講座では、オーダーメイドの服が自分1人で作れるレベルの知識・技術を身につけることが目標となっています。

 

何らかの講師として収入を得られそうな場合は、ぜひ自治体の起業塾に参加するなどして事業計画を立ててみてください!

 

生活力を高めるための講座

 

頭脳系の学び直しだけではありません。

生活力アップのための学び直しというものもあり、すでに人気講座となっています。

 

・育児、在宅介護

・整理収納、生前整理

・災害時や人命救助に役立つ知識、技能

・食品ロスを減らす方法

・料理、DIY、家庭菜園  など

 

老化を防ぐための講座

 

この分野は自治体の講座でやっているものが多いです。

自身が講師になる場合、収入はあまり期待できないかもしれませんが、地域貢献につながると思います。

 

・年代に見合った運動のしかたや栄養の摂り方

・ヨガ、ストレッチ、ランニング、水泳、筋トレ、健康体操

・断食体験

・温泉療養

・脳トレ など

 

収入に直結するかはわからないけど、とにかく楽しい! 

大人の自由研究

 

マネタイズは置いておき、とにかく好きを究めたい!という人に人気があるのが自由研究です。

趣味で調査研究をする人は昔から一定数いましたが、スマホのカメラ機能が上がるにつれて、自力で撮影したものがSNSでバズりやすくなったことが背景にあるのではないかと思います。

 

たとえば

・自分で微生物を採集して顕微鏡写真を撮っている

・天体(星)や珍しい気象現象(雲や雨柱など)を撮って研究している

・鉱石の構造を調べている

・地酒やクラフトビールの造り方を調べている

 

とにかくいろいろな人がいます。

私のお酒仲間の中には三角点を調べている人もいました。

私は”くせ毛”をテーマに、自髪を使っていろいろな検証をゆるゆる行っています。

 

日常のふとした疑問は、何でも研究テーマになり得る。

それが今まで誰も調べたことのないことであれば、間違いなくSNSでバズる。

さらには学会で発表することになるかもしれない。

 

研究の流れ

1.テーマを決める

2.仮説を立てる

3.研究方法を考える

4.検証する

5.レポートとしてまとめる

 

野鳥が好きで散歩をしながら写真を撮っている人は多いと思いますが、さらに野鳥の行動・生息域・鳴き声などを調べて検証を重ねれば、単なる趣味ではなく”研究”になります。

 

動物行動学者の鈴木俊貴氏(京都大学白眉センター特定助教)は2021年、シジュウカラという小鳥が言葉や文章を操る能力を持っているということを、世界で初めて科学的に証明しました。

鈴木氏は仮説をもとに様々な検証を重ね、「ピーツピ・ヂヂヂヂ」という鳴き声が「警戒しながら集まれ」という意味だと証明したそうです。

この話をNHKの「ダーウィンが来た!」で見た時、鳥肌が立つほどの衝撃を受けました。

 

NHK公式サイト

世界初! 「鳥の言葉」を証明した“スゴい研究”の「中身」 『ピーツピ・ヂヂヂヂ』

 

熱量があれば自ずと稼げる人になる

 

社会人になる前から学びの熱量が凄(すぎょ)かった人もいます。

好きが高じて魚類学者になったさかなクン。

「TVチャンピオン」に出演していた当時、彼は高校生。

私はリアルタイムで番組を見ていました。

 

高度なオタクや病的なまでに手先が器用な人(いずれも褒め言葉)などが登場する番組ですが、並み居る猛者の中でも、さかなクンの魚への偏愛ぶりは群を抜いていた。

とにかく知っている。知っていすぎる。

クイズの内容を考える制作スタッフもかなり苦労したでしょう。

それを難なく勝ち抜く様に、爆笑させられたものでした。

さかなクン オフィシャルサイト

 

もう1つ、多くのプロや伝説の人を輩出したテレ東の人気番組に「大食い選手権」がありました。

ギャル曽根さんがデビューしたときから彼女の大ファンですが、今も大食いのプロとしてテレビで活躍している姿が頼もしいです。

爆発的に好きなものや得意なことががあれば、人に教える仕事や、人を楽しませる仕事に就くことができるんですね。

今からでも遅くないかもしれない。

 

やってみたかったこといろいろ

年齢的にできないこともある

 

社会人になってから、昔できなかったことに挑戦する人もどんどん増えています。

 

ある40代女性は、福祉施設で事務職員として働いていたが退職し、パティシエを目指して専門学校に入学。卒業後の現在は、カフェ従業員として働きながら独立を目指しているそうです。

 

私はずっとデスクワークをしてきたので、人と接する仕事をしてみたいという思いがずっとありました。

2022年5月からは、少しだけエンタメのお仕事に携わっています。

(同年代の知人女性から「やってみませんか?」と声を掛けていただき、軽い気持ちで手伝いに行ったらスタッフ登録することになった)

 

1回に800〜1000人の不特定多数のゲストをコントロールする仕事です(ジャンル的に高齢のお客様が多め)。

近視や乱視がありながら裸眼で生活しているという私の言葉を聞いて、ベテラン女性が「それじゃ仕事がしにくいでしょう」と言いました。

 

本業はデスクワークのため特に不自由を感じません。

が、広く全体を見渡す必要がある仕事では、遠くまでくっきり見えているほうが安全なのです(ゲストの皆様が)。

 

このように、新しいことに挑戦する場合は自分の身体機能でできるのか、難があるならどんな対策を取るべきか、事前に検討する必要があります(たとえば私の場合はメガネを作り直す)。

 

管理者プロフィール

@over50_wig
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。大手新聞社の月刊誌などで医療・健康分野を中心に取材活動を続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。近年は20〜30代のクリエイター取材にも取り組んでいます。

2022年7月から副業で伝統芸能の公演お手伝いを少しだけしています。