人生100年時代といわれるようになり、50代以降の生き方を考える人が増えているようです。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活となり、いやでも自分と向き合う時間が増えました。
こうしたなかで、よく耳にするようになったのが「人生の棚卸し」という言葉です。
人生の棚卸しとは
幼少期から現在までの行動や感情などを細かく書き出して整理すること。
目的
・自分に向いている仕事を見つけるため
・やりたいことを見つけるため
・今以上に活躍するため
・今とこれからをよりよく生きるため など。
(1)キャリアやスキル、資産を生かして転職・起業したいなら
セカンドキャリアを考えるなら、キャリアカウンセラー、キャリアアドバイザー、キャリアコンサルタントなどに相談し、いっしょに棚卸し作業をすると効率がいいと思います(自治体経由なら無料で相談できます)。
私の知人で、実家がとても立派な古民家なので、同年代が集まる居場所として活用しようと準備を始めている人がいます。
この活動をビジネスとして収益化するなら細かい事業計画が必要なので、貯蓄、不動産、人脈といった資産も含めた棚卸しが必要になると思います。
こんな本も参考になりますよ。
「45歳からの『やりたくないこと』をやめる勇気」(木下紫乃)
学びのコーディネーター兼スナックのママがお客様の相談に答える形式で、読みやすくまとめられています。転職やセカンドキャリアを考えるために有用な棚卸しリストに似たものも掲載されています。
関連サイト
(2)新しいことに挑戦したいが、何をやればいいかわからないなら
まずは”棚卸しシート”や”棚卸しリスト”に記入して自分なりに整理してみる。
ネットで検索すると独自の「棚卸しシート」を作っている人がいて、無料でダウンロードできるものもありました。どれも項目に記入するだけと簡単。ただ、棚卸しの目的によって項目がだいぶ異なります。
高齢の方が終活で行う場合は、自分が生まれてから現在までの生き様をまとめるようになっています。”自分史”の簡易版という感じですね。
東京都では「東京フィフティ・アップBOOK」(これからの夢とライフを考える本)というものを無料配布しています。かかりつけの歯科クリニックに置いてあったので、もらってきました。
下記から無料でダウンロードできますよ。
この本の巻末に「ライフ・プランニングシート」というものが付いていて、切り離して書き込めるようになっています。
「将来過ごす1週間は?」といった項目などもあり、仕事や育児を卒業してからの毎日をどう過ごすか、具体的にイメージできるようにするためのもののようです。つまり定年退職後をどうしたいか、ということです。
これは50〜55歳にはちょっと早すぎる・・・。
棚卸しをするなら、自分の目的に合ったシートを探そう
私が棚卸しに取り組む理由
・私はフリーランスで働いているので定年はないが、”現状維持”に回るには早すぎる。健康なうちに何か新しいことをしてみたい。でも何を???
・ずっと机に向かう仕事をしてきたので、人と接する仕事をしてみたい。
というわけで、やりたいことが見つからない人のための棚卸し本を買ってみました。
「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方」(八木仁平)
これは、やりたいことが見つからない20〜30代向けに書かれたもので(おそらく)、著者が独自にまとめあげた自己理解メソッドの解説とワーク(質問に答える作業)で構成されています。
「今までで充実していた体験は?」「成果が出たことは?」など、大量の質問項目が並んでいるので、ひたすら答えを書き出していきます。それによって自分の「価値観」「得意なこと」「好きなこと」を明確にし、やりたいことを絞り込むというものです。
50代になると過去が長いだけに、書き出すよりも思い出す作業のほうに労力がかかりましたが、「あっ、そうだったのか」と気づくことがいくつもありました。
そしてわかったことは・・・
・私は社会人になってからずっと、得意なことを仕事としてやってきた(だから長く続けることができている)。
・なのにモヤモヤしているのは、「好き」「夢中」が足りないせいだ。 ということ。
また、この本には書かれていなかったのですが、以前受講した起業セミナーでは、「自分が苦手なこと、やりたくないこと」も書き出す作業がありました。これは確かに大切だと思います。
私の場合
・協力し合わず、競い合って成果を上げること(売上、人気など)
・常にアップデートが必要な分野(IT) が苦手です。
つまり販売の仕事はやらないほうがよく、ITに関することは得意な人にお願いするほうがいい ということがわかります。
自分が苦手なこと、やりたくないことを明確にして、回避する。
この年になると「親や自分たちの健康がいつどうなるかわからない」という不安から、思考にブレーキがかかりがち。
年齢的に求められていない(求人がない)職種もたくさんあるので、「今さらできることなんてない」と思ったりもしますが、自分が夢中になれることが何かわかれば、仕事でなくても趣味やボランティア、投資などでもいいということになりますね。
自分が夢中になれることが何かわかれば、趣味やボランティア、投資などでもいい。
私は小料理店の手伝いやウィッグ販売などのWワークを経験した結果、販売は向かないが人の話を聞くことは向いている(夢中になれる)ことがわかっているので、デスクワークでやってきたことを、対人のサービス業としてやってみたら夢中になれるかもしれない、と考え始めています。
追記:55歳で私が挑戦し始めたこと
2022年5月から、Wワークとして伝統芸能の公演お手伝いを月に数回だけしています(カテゴリとしてはエンタメ業界)。
国内外で好評を博している知名度の高い定期公演も含まれており、ぜひ裏方を体験してみたいと全国から応募が来るような組織です。
が、私は自分から応募したわけではなく、ご近所つながりの知人から声を掛けられ、興味本位で1回だけのお手伝いとして行った結果、その場でスタッフ登録ということになり(汗)。
1000人規模の老若男女・多国籍の人々に対して声を張り上げ、1枚ずつチケットの日時を確認し、全体を見渡して導線を確保し、真っ暗な劇場内を座席までご案内。
公演中は「暑い・寒い・狭い・具合が悪い」などなど、千差万別の声にお応えてしていきます。
明らかに私が苦手としていることばかり。なぜこんなことに・・・
というのが本音(”人生の棚卸し”をして得た気づきとも連動していない)。
それでもやる理由は、この会社の女性社長がとてもパワフルで興味深い人物であり、しかも同い年だからです。
彼女の仕事ぶりを間近で見ていたい !という強い好奇心と、
「この出会いも何かのご縁」
「場数を踏めば必ず誰でもできるようになる」
「災害時も役立つノウハウだからぜひ身につけて!」
といった言葉に乗せられて、半年がたとうとしています。
管理者プロフィール
@over50_wig
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。大手新聞社の月刊誌などで医療・健康分野を中心に取材活動を続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。また、さまざまな実用書のディレクションにも携わっています。