50代以降、そんなに太っていないのに上半身が微妙にたくましくなってきたような。
女性は50代頃から上半身が円筒化しやすくなる。
これは洋裁の技術書にも書かれていますし、体型に関わるさまざまな企業も同様の研究結果を報告しています。
「若いうちは細かった腕やお腹などの上半身にも年齢とともに脂肪が つきはじめ、50代ごろには全身に脂肪がついて全体のかたちが丸くなるという傾向にあります。」
ふわっと広がるブラウスやスカートで着太りしたり、カジュアル服がダサく見えたり、カーディガンやニットを着ると丸っこいおばあちゃんぽくなったり・・・みーんな”体型のおば化”が原因です。
ファッションレンタルで試着を繰り返し、洋裁の通信講座で服の作りを学んだりして試行錯誤した結果、3つのポイントを抑えるだけでだいぶすっきり見えるということがわかりました。
○1.ネックラインの開きが大きめ。
布で覆うことによって面積と体積が表面化するため、布を減らせるところは減らしたほうがよいわけです。
ボートネック、やや深さのあるVネックなど。
首まわりは視点が集まりやすい顔に近い部分なので、効果が高いです。
↓オーバーサイズのロング丈シャツは布がとても多く、上半身がさらにボリュームアップしてしまうので、体に厚みが出てきた場合は避けたほうがよいですが、ネックラインが開いていると、それだけで少しすっきりするので絶対にダメというわけでもありません。
★首まわりを露出させたくない場合
黒など収縮色のVネックの下に無彩色の白を入れる。
色のメリハリ効果で首まわりが開いているかのような印象になります。
○2.裾に向かって細くなるシルエット。
裾が絞られていると、横からでもスマートに見えます。
↓裾が広がっている場合と、裾を絞った場合の比較画像を見つけました。
ドルマンタイプで、なおかつ裾が締まっているものは50代に向いています。
体型がカバーされて、なおかつだらしなく見えない。
これがとても大事です。
手持ちのトップスをインしても似た効果が得られる。
が、上半身に厚みがある場合は一考の余地あり。
↓トップスをインした場合と、しない場合の比較画像がありました。
「ボトムにインすると痩せて見える、はウソ?!」40代ぽっちゃり体型のタックインしないコーデ
ですが絶対にNGでもなくて、白や淡い色のトップス(膨張色)✕黒やネイビーなど収縮色のボトムスという掛け合わせにすると、視覚的なメリハリによって体の厚みが目立ちにくくなります。
※ハイウエストだと上半身がボリュームアップしてしまうので、ジャストウエストのボトムスを選びます。
○3.布にハリがある。袖が下に向かってストンと落ちる。
ハリがある=体の凹凸を拾わない。
ストンと落ちる=横や斜めに広がらない。
素材じたいにハリがない場合でも、二枚仕立てなどで厚みを持たせてあれば体型を拾いにくいです。
袖の生地は薄くて下に落ちるほうがよい
✕ 袖の生地にハリがあると広がるシルエットになるため、肩まわり、胸まわりのボリュームが強調されてしまいます。
✕ 直線に近いボートネック✕フレンチスリーブも肩幅や横幅が強調されやすいです。
体の丸みには直線が効く!!
日本料理で、丸い形の料理を四角い器に盛ると美しく見えるというセオリーがありますよね。
体型の見せ方も同じで、丸っこい体つきになってきたら直線を使うのが常套手段です。
ボーダーではなくストライプ。
クルーネックではなくVネック、ボートネック。
やわらかいブラウスではなくハリのあるカットソーやメンズのシャツ。
ストレートラインのパンツやスカート。
体型の変化のしかたは千差万別です。
自分の体型がきれいに見える身幅、丈であることも重要です。
(高級ブランドである必要はなし)
直線的なデザインがパーソナルイメージに合わない場合は、アクセサリーやバッグ、靴などに少し丸っこい感じを持たせるなど、バランスを意識すると不自然さが出にくいです。
ゆったりめのトップスは
だらしなく見えないようにする
メンズライクなオーバーサイズのシャツは衿の開きが大きいので、すっきり見せることも可能。
少し着崩すとこなれて見えますが、大きくだらしなく見えては台無し。
コーディネートを工夫する必要がありますね。
【メンズ】オーバーサイズシャツ・ビッグシャツを使った着こなしコーデ特集
下に落ちる薄い生地のシャツやブラウスに、ハリのある直線的なスーツベストを重ねる手もあります。
薄い色のロング丈シャツ✕同系色のスーツベストという組み合わせはよいと思います。
ベストの重みでシャツやブラウスの広がりが抑えられることもあり、すっきり見えます。
✕ ベストの面積が多いとボリューム感が増すので、オーバーサイズや丈の長いベスト、ジレは避けたほうがよいです。
50代になると骨スト化するの?
パーソナルスタイリグにおける”骨スト”(骨格ストレート)の人の体の特徴
全体的に立体的な体型。
筋肉質な人が多く、身体に厚みがあります。
ボディラインにメリハリがあり、腰の位置が高めです。
首の長さは短めの人が多い傾向があります。
膝上が太めで、膝下はすらっと細くきれいな脚をしています。
50代以降はボディラインのメリハリがなくなってきたりもするので、このタイプに一致するわけではありません。
が、体の厚みで悩んでいる場合は、骨スト向けの記事が参考になる場合もあります。
体型が変化しても似合う色・似合う服で輝ける!
年齢的な変化を前向きに受け入れて、さまざまな役柄を演じ続けておられる松坂慶子さん。
画像を検索すると、えっ、そんな衣装も抵抗なく着ちゃうの!?と驚きます。
(リンク先の各画像をご覧ください)
その堂々たる生き方、お仕事に対する姿勢。
「おばさん化する自分の体型が憂鬱でたまらん・・・」などと凹んでばかりじゃ時間がもったいないですね!
ボックス型とは、直線で四角く作られているもの。
どの角度から見ても四角い箱のようになるので、この形をきれいに着られるのはツイッギー並みに細い人くらいでしょうか。
すっきり見えます!
色は収縮色ですが、開きが狭いので詰まった感じになりますね。
ネックラインの開きは少ないが、身頃に縦のステッチ(縫い目)が多く入っている場合
髪をまとめていることもあって、爽やかです。
ラウンドネックは優しい印象になりますが、丸みが強調されやすい。
和服では紫を多く着ておられて、どの紫も素敵!!
紫の衣装姿、もっとたくさん拝見してみたいです。
美貌の大御所でありながら、びっくりするほど庶民的な役柄までこなされているんですね。
しかも表情がとてもやさしい。素敵な年の重ね方だなあと思います。
パーソナルカラーが春と診断されているのか、薄い中間色をお召しになっていることが多いようですが、昔も今もやはり紫がお似合い。
お若い頃の艶っぽさがそのまま戻ってくるようです。
肌がくすんで見えがちな渋めの紫(小紫、至極色)でもいけてしまうのが凄い。
色だけでもこんなに印象が変わるんだ!という好例だと思います。
上半身に厚みのある50代が避けたいトップス
□バストの上下にギャザーや切り替えがある。
ギャザーは膨らみを出すためのものなので、よりいっそう膨らんでしまう。
□ネックラインが詰まっている。
首周りが布で覆われることによって、上半身のボリュームが強調される。
□ハイウエストの位置に切り替えがある。
バストに高さがある場合、バストとバスト下のおなかの両方が強調されるので最悪。
ハイウエストのボトムスもダメです。
ちなみに私はまだあがいており、運動と減食で少しでもましになることを目指しています。
管理者プロフィール
Kamiyama
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。医療・健康分野を中心に取材活動、コピーライティングを続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。また、さまざまな実用書のディレクションにも携わっています。
自分の体型に合う服を知るため、2022年から洋裁の通信講座(プロになりたい人向け)を受講して型紙作りから学んでいます。おかげで服のいろいろなことに意識が向くようになりました。