どうなる? 定年後の人間関係
ある日のランチタイム、同年代の皆さんと定年後に関する話題になりました。
長く一緒に働いてきた上司が次々に定年を迎え、我々にとっても遠い話ではなくなってきたからです。
同い年のOさんがこう言いました。
「退職した人たち(かつての上司)を見ていると、年をとるほど外へ出ていってにぎやかに過ごす人と、どんどん人づきあいをしなくなる人に分かれるようです」
なるほどー。うーん、自分はどっちだろう?
読者の方はどうですか?
私は・・・後者かもしれません。
年齢とともに拡大する個人差
50代以降は個人差が大きくなってきますよね。
私が40代の頃にチームで仕事をしていた、ある職場の例を挙げます。
私以外は50代半ばの女性でした。
同年代3人でも、次のように違いがありました。
Hさん:子ども2人はすでに結婚し、孫に夢中
Eさん:夫婦2人・子どもなし。飼い猫と趣味に夢中
Kさん:2人の子どもはまだ独身。30代の息子さんと2人暮らし(旦那さんは病気で亡くなった)
広く世の中を見渡しても同じです。
・独身(親や兄弟と同居・一人暮らし)
・既婚(子なし・子あり・孫なし・孫あり)
・既婚後独身(離婚や死別)
それに加えて経済状況、健康状態も千差万別。
よほど似た境遇同士でない限りは、話題や言葉選びに気を使います。
なので、私は友人を増やすことには消極的なタイプです。
(常に自分の話に夢中で、話題そのものに気を使わない人もいますが・・・)
友人がいても、永遠ではない
ある50代向け自己啓発本のPR記事に、こう書かれていました。
「多くの知人より少しの友人」
どう思いますか?
果たしてそうでしょうか。
私の母は、小学時代やママ友時代からの友人が何人もいました。
が、70代あたりからお友達が1人、また1人と亡くなる。
認知症になって介護施設に入る。
とても寂しいと言っています。
コロナ禍のなか、私自身も一生つきあえると思っていた友人を亡くして、改めて思います。
親しい友人がいても、こういうことが起きるのだと。
喪失感は薄くなるだけ。消えることはありません。
いなくなったからハイじゃあ代わりの人を見つけます、などとはなりません。
たとえ友人がいても、その関係が永遠に続くわけではない。
老後の孤独を防ぐには、友人依存にならない対策も必要なのです。
相手は人でなくてもいい
友人依存にならない対策は、大きく2つ考えられると思います。
1.居場所を増やす(人と交流する場を多く持つ)。
2.何かと同居する(犬・猫・鳥など)。
居場所
職場・家庭以外の居場所を増やすことが大事だといわれています。
たとえば趣味やボランティアのつながり、近所の行きつけの飲食店での交流など。
私はこの方面はかなり幅広く行動しているので、知人・お酒仲間のような人はいます(^^;)。
お酒の店で私が意識しているのは、大規模災害が起きたときのために、近所に顔見知りを作っておくということです。
避難時に「あ、○○さん!」「よかった無事で」などと声を掛け合える人がいたら、安心感が違いますよね。
動物を飼う
心の安定に絶大な効果があります。
特に人になつく動物がおすすめです。
私も一人暮らしをしていた頃、モルモット(ハムスターではない)を飼って”ドはまり”しました。
よくなつく動物で、呼ぶと駆け寄ってくる!
帰宅してドアを開けると、待ち構えていたように鳴く!
私の存在が認識されている!と思うだけで寂しくなくなります。
ただ、こうした生き物は人間より短命なので、見送る確率が高くなり、つらいです。
そこで人気が高まっているのがロボット。
私も寂しくなったらぜひ家に迎えたいと思っています。
人との距離をいきなり詰めないようにする
大人になってから何かの集まりに参加することはよくあると思います。
生涯学習や資格の講座/起業塾/
趣味の講座/ボランティア活動/サークル活動 などなど
こういう場では、「帰りにお茶でも」と言う人が必ずいます。
「SNSのアカウントを教えて」と言う人も。
50代以降が多いような集まりで、初対面でここまで言ってこられると私はちょっとビビります。
可能性として考えられるのは・・・
・単に時間を持て余している(無害)。
・詮索好き(迷惑系)。
・SNSの「友達」の数を増やして「いいね」を稼ぎたい(誰でもいい)。
・寂しいので誰かといたい(誰でもいい)。
・勧誘や詐欺など、何らかの企みがある(ターゲットとしてロックオンされた)。
いくら同じ目的を持つ者同士とはいえ、50代以降は生き方も価値観も千差万別。
なので、初対面からグッと距離を詰めようとしないほうが、お互いに気持ちよく交流を続けられると思っています。
無理して友人・知人を増やそうとした結果、あっちでもこっちでも「いいね」を押さなくてはならず、”SNS疲れ”なんていうこともありそう。
信頼できそう、気が合いそうと思える人がいたら、少しずつ自己開示していけばよくて。
そこからさらに親しくなれる人が現れるかもしれないし、現れないかもしれない。
まずは、いま関わっている人たちとの関係を大切にしたいです。
たとえば高齢の親、家族・親戚、職場の同僚・後輩。
そしてこれからの時代を生きる若い人・子どもたち。
言葉にして伝えておくべきことは伝える。
心配なときは静かに見守る。
困っていそうなら、自分にできる範囲で助ける。
あとで後悔しないように過ごしていきたいなと思います。
管理者プロフィール
@over50_wig
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。大手新聞社の月刊誌などで医療・健康分野を中心に取材活動を続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。近年は20〜30代のクリエイター取材にも取り組んでいます。