あるお客様が見えたときのことです。
いろいろなウィッグをおすすめしましたが、気に入られたのかどうか反応がなく、「病気で憂鬱なのよ」と何度も繰り返されるのです。
どうしたらいんだろう・・・と戸惑っているうちに帰ってしまわれました。
その方は、私がいない日に再度サロンに来られてウィッグを購入し、私には話さなかった持病の病名などをベテランスタッフに打ち明けていました。
そうか。
あの方は、髪のことよりもまず病気のことを聞いてもらいたかったんだ・・・。
ウィッグの販売員だから、髪の悩みを聞いて、似合うウィッグを探すのが仕事だと思っていました。
が、それだけではお客様からの信頼は十分には得られないということなのです。
私は長いことライターとして医療や健康分野の取材をしていたので、人の話を聞くことは特技だと思っていました。
(がんの患者さんにもずいぶん取材をしてきました)
が、私に人の話を聞く力が足りないということは明らかでした。
ベテランスタッフはお客様と年が近いので、50代になって間もない私よりは話がしやすいというのもあるとは思いますが・・・。
それ以来、いろいろな場で会話をするとき、相手の反応を今まで以上に意識するようにしてみました。
すると、少しわかってきたのです。
人とのコミュニケーションで特に重要なのが、相手の「沈黙」だということです。
こちらの投げかけに対して返事がないときは、いくつかのことが考えられます。
・こちらの意見に同意していない。
・言いたいことがあるが、言いたくない。または言いにくい。
・こちらの意見に同意したうえで、何かを考えている。 など。
日本人はネガティブなことを口に出して言うのが苦手です。
だから同意していないときは黙ってしまう。
逆にポジティブな沈黙の場合は、たとえばウィッグを実際に買ってつけたらどんな感じだろう、どのくらい使うだろう、などと考えを巡らせているんですね。
その場合は、少し黙って、いっしょに考えるように意識しています。
「空気を読め」とよく言いますが、それは沈黙をどう読むかということでもあるんですね・・・。
これまでの私がどれだけ傾聴できていなかったかを自覚して、とてもショックでした。
まだまだ商品説明だけで精一杯なのですが、できるだけ髪の話をしながらお仕事や趣味、体調のことなども伺うように意識している今日このごろです。
それにしても、売上がここまで落ちたままだと、来月はどうなるのか。
いや、明日、明後日はどうなるのかと、暗い気持ちになります・・・
なるべく顔に出さないようにしつつ、日々やっていくしかありません。
最近、エアクローゼットを利用し始めました
(この写真はスカートがエアクロ。
コロナ自粛前で、現在よりウエストが少し細いです)。
通勤服がメインなので、通勤服をわざわざ買って持っていたくない人におすすめです。
自分が選ぶのでなく、スタイリストさんが選んだものが送られてくるので、意外性があります。
試着だけして返すこともけっこうありますが、自分に似合う色やデザインを新発見したり、大胆なワイドパンツなどをどう着たらいいのかなど、研究するのに役立っています。
ユーザーが着た写真が投稿されているので、モデル体型でない人が着るとどうなるかイメージしやすいのも斬新で面白いと思います。