「毎日のシャンプーやドライヤーがおっくう。人にやってもらえると助かるわ」
「ふだんは髪を洗った後、タオルで拭いてそのままよ」
これらはデイサービスで、入浴後の利用者さんにドライヤーをかけるボランティアをしていた時に聞いたお話です。
もともとおしゃれに興味がない方ばかりではなく、「本当はもっとちゃんとしたいんだけどね」という方もいらっしゃいました。
おっくうになる原因は、腕が上がりにくくなる、気力体力がなくなるなどで、年をとれば誰もが辿る道といえそうです。
対策として実際にやっている方が多いのが、次のようなものです。
・ショートやベリーショートなど、スタイリング不要の髪型にする。
・毎日洗わない。
・外出時は常に帽子(またはウィッグ)を使う。
高齢で、髪が細くまとまらなくなった方の大半が帽子をかぶって外出しています。
ただ、帽子はTPOに応じて外さなくてはいけない場面があるので、個人的にはよりお手軽なウィッグをおすすめしたいと思っています。
また、次のような手もあります。
・シャンプーとリンスの成分が1つになったものを使う。
・手で持たずに髪を乾かせるドライヤーを使う(フックやスタンドが付属しているもの)。
■「毎日洗わない」はケース・バイ・ケース
すでにご存じの方も多いと思いますが、日本人が毎日シャンプーをするようになったのは、ここ数十年のことだといわれています。
戦後の昭和時代でも、3日に1回程度。
毎日洗わないのが一般的だったそうです。
分岐点は「朝シャン」という言葉が流行語大賞に選ばれた1987(昭和62)年という説があり、確かにあのCMがきっかけで毎朝シャンプーしてから学校や会社に行くことが女子のあいだでブームになった記憶があります。
しかし、2015年頃から「毎日洗わない」というセレブや芸能人が登場。
それ以来、若い女性のあいだでも、それに追随する動きが出てきています。
確かに、風邪などでお風呂に入れなかった翌日は肌や髪がちょっとしっとりしているので、毎日洗わないほうがよさそうだとは思うのですが・・・
年齢を重ねると気になるのが加齢臭のもとになるノネナールです。
これは40歳を過ぎた頃から増えるもので、頭皮や耳の後ろからも多く分泌されることがわかっています。
加齢臭Q&A 資生堂のサイト
加齢臭の予防には朝のシャワー浴が効果的というデータがあるので、私は基本的に朝の外出前に髪と体を洗っています。
朝シャワーの体臭予防効果 東京ガスのサイト
体臭がきつい人が近くにいてもそれを本人に指摘する人は少なく、自分では自分の体臭(口臭も)に気づきにくいという問題があります。
髪にとっては頻繁に洗わないほうがいいとしても、洗わずに外出して人に会う場合、頭皮や耳のまわりからあのニオイが出てやしないかと気になってしまいそうです。
私は普通に汗をかく体質ですし、髪に大気中の排気ガス、花粉、PM2.5などの汚れがくっつく気がして、やっぱりまめに洗ってしまっています(使っているシャンプーはアミノ酸系)。
高齢になって外出する回数が少なくなったとしても、人に会う前にはできる限り洗いたいなと思っています。