年齢とともに肌が乾燥しやすくなると、それまでは何ともなかった染毛剤で地肌がかぶれてしまうということがあるようです。
なかには「ひどくかぶれて、大量に脱毛してしまった」という方も。
このような場合はまず染毛剤を使うのをやめて、皮膚科で治療を受けてくださいね。
外出時はウィッグを使えば、見た目を気にしなくてすむと思います。
医療用のウィッグ(JIS規格のものなど)は、ネットの素材が肌にやさしいものでできているので、おすすめです。
ただし、気温や湿度が高い季節はウィッグや帽子などで蒸れることも肌への刺激になるので、ウィッグや帽子の利用については医師に相談してください。
■薄毛の原因は、老化ではなくパーマとカラー?
年をとれば誰もがみんな薄毛になるかといえば、そうではありません。
私はデイサービスでお風呂上がりの利用者さんにドライヤーをかける係をしていたことがあるのですが、高齢女性がみんな薄毛というわけではなく、乾かすのにすごく時間がかかるほど毛量が多い方や、タワシのように強い毛がびっしり生えているような方が何人もいてびっくりしました。
こういう方に聞くと、「パーマやカラーをしていない(したことがない)」と答える方が多く、薄毛で悩んでいる方に共通していたのは、「若い頃からパーマやカラーを頻繁にしている」ということでした。
また、つい最近、ある70代の女性がこんなことをおっしゃっていました。
「何年か前にものすごく髪が抜けちゃって、それからショートヘアにしていたんだけど、白髪染めをやめたらまた生えてきたのよ! 本当に!」
拝見すると、髪はかなり白いのですが、量はかなりあって、頭頂部が少し薄いかなという状態。
「私はもともと髪が多かったのよ。
最近また生えてきたから、ちょっと伸ばすことにしたの」
とのことで、その時はショートボブの状態になっていました。
「とにかく白髪染めはダメ。抜けるわよ!」
と強調されていました。
これとまったく同じことを生前の樹木希林さんがテレビでおっしゃっていたのを覚えています。
樹木希林さんはグレーヘアがブームになるだいぶ前から白髪染めをやめていらした著名人の1人です。
人に言われるまでもなく、パーマやカラーをした直後に枝毛や切れ毛が多くなることで、髪へのダメージがとても大きいことは誰でも経験的に知っていると思います。
その刺激が髪そのものだけでなく地肌や毛根にも影響しているとしたら、確かに脱毛の一因になっている可能性があるかもしれませんね。
特定のものを「使い始めたら髪が抜け始めた。使うのをやめたら髪がまた生えてきた」
ということであれば、その特定のものが脱毛の原因と考えていいのではないでしょうか。
ただ、男性の場合で考えてみると、今の高齢の方は大半がパーマやカラーをしたことがなく、それでも脱毛が進んでしまう人がいるということからすると、脱毛の土台にあるのは遺伝的(先天的)なものではないか?と思えます。
そこに老化、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、紫外線・パーマ剤・染毛剤などの後天的・外的な要因が加わって、脱毛が進むということになるのかなと思います。