12/JU-NI シャンプー・コンディショナー
大正13年創業、大阪に本社を構える老舗の洗浄剤メーカー。
12/JU-NIシャンプー・コンディショナーは、組織、原料レベルから化粧品開発に精通したプロフェッショナルが5年をかけて作り上げた、くせ毛に悩む人のためのヘアケア製品。
クラウドファンディングを導入し、2019年12月に先行販売。
2021年4月の一般販売開始から1年余り続いた品薄状態が、やっと落ち着いてきたという注目の商品。
私の強烈なくせ毛に使ってみたところ、予想以上の変化にびっくり!
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詳しいことを知りたくなり、開発の経緯や成分の特徴などをお聞きしました。
●広報担当:鹿嶋友莉江さん
■開発担当:多胡健太朗さん
まず、開発の目的を教えてください。
■多胡
私はもともと別の会社でヘアケア製品を含む化粧品の原料を開発しておりました。
その後、原料のOEMメーカーに移ってヘアケア製品などの処方開発に携わりました。
が、お客様のご要望に沿ったものを作る仕事ですので、自分が作りたいものを作れない状況がありました。
大量生産を前提とするOEMは、いろいろな制約があるわけですね。
●鹿嶋
突然、多胡が面接を受けに来はって「開発者として納得がいくものを作らせてくれ」と。
いっさい人材募集をしていなかったので、よほど作りたかったんだと思います(笑)。
すごい熱意ですね!
5年もかけて開発されるなか、ご苦労もあったのでは。
■多胡
洗髪から仕上げまで、すべてのフェーズにおいてきしみ、パサつきが生じないようにするために時間がかかりました。
また、コラーゲンという腐りやすい原料を大量に入れているため、防腐剤の組み合わせを工夫する必要がありました。
あきらめようと思ったことは。
■多胡
ありません。化粧品を作るのが半分趣味みたいなものなので。
仕事の合間にライフワークみたいな感じでやってきました。
●鹿嶋
彼はちゃんとしたオタクの人なので(笑)。本当に信頼できる開発者です。
私は公式サイトに掲載されている実験結果の画像を見て購入を決めました。
すごい説得力ですね!
さらに約170名のモニターが開発に協力したとのことですが、評価はいかがでしたか。
●鹿嶋
特に「年齢とともに髪がうねるようになった」という方に好評でした。
年代は上の方が多めで、60代の方から「すごく指通りがよくなった」とのお声もありました。
特徴的な成分について教えてください。
■多胡
いちばんの特徴は、ダメージヘアの補修やくせ毛を収まりやすくする加水分解タンパク質やその誘導体を大量に入れているという点です。
主成分は、“加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール”というものです。
それは市販のシャンプーにも使われているんでしょうか?
■多胡
使われているものもあるかと思います。
ただ、配合量を多く入れると原価が高くなり腐りやすくもなるため、色が変わるほど大量に配合されるのは、高価格帯のシャンプーコンディショナーでも稀かもしれません。
●鹿嶋
化粧品の成分表示は1%以下なら順不同で書けてしまうので、高級原料を使っている商品でも、それがどれだけ入っているかは表示を見るだけではわからないんです。
12/JU-NIシャンプーの黄色い色は、主成分である加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオールそのものの色です。
同じ原料を使っていても無色透明のものもあったりしますが、色で見たら何パーセントぐらいやな、とわかってしまうのがこの原料です。
それで価格が高めになるわけですね。
■多胡
はい、価格は原料・原価ごとに決まっているので。
他のメーカーが12/JU-NIと同じものを作るとしても、やはりこの価格帯以上になってしまうと思います。
●鹿嶋
ただ現実には他社が 12/JU-NIと同じものを作るのは難しいと思います。
12/JU-NIの処方をすべて公開したとしても、扱いにくく敬遠されがちな原料を使っているので。
原料の割合や撹拌のしかたが少し違うだけでもコンディショニング成分が沈殿してしまうんです。
コラーゲンはにおいもきついので、大量に使うことは少ない原料です。
大量生産ではないからこそ、作れる製品なんですね。
●鹿嶋
木村石鹸は、今では国内でもごくわずかなメーカーしか行っていない釜炊き製法で、職人による手作業で石鹸を作っています。
12/JU-NIには、その技術がそのまま生かされているんです。
しっとりタイプ(Type-A)とさらさらタイプ(Type-B)、両方を使ってみましたが、かなり違いがあるように感じました。
含まれている成分が違うんでしょうか?
■多胡
どちらも加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオールを主成分としていますが、しっとりタイプは加水分解コラーゲン、さらさらタイプは加水分解シルクを加えることで、仕上がりの差を出しています。
どちらも使い続けることで髪質がよくなっていきます。
しっとりタイプは予想以上に髪がまっすぐになって(写真)驚きました(笑)。
くせがより出にくいのはしっとりタイプで、アレンジが効きやすいのはさらさらタイプでした。
使用前(本来のくせ毛)
●鹿嶋
アレンジが効きにくい場合は、乾ききる前にカーラーを巻いて熱を加えると、アレンジの持ちがよくなると思います。
多胡さんもくせ毛でいらっしゃるそうで、ご自身でも使っておられるんですね?
ユーザーには男性の方も多いんでしょうか?
■多胡
はい、3割以上が男性となっており、予想外といえば予想外でした。
自分で使ってみても市販のものとはだいぶ違います。
特に寝ぐせが出にくくなりました。
●鹿嶋
男性のユーザーさんでは、働いている30代、40代が多いです。
朝から髪を洗わないと寝ぐせが直らなかったという人も、「手ぐしでなんとかなるようになった」というお声をいただいています。
同じくせ毛でも、50代になると髪が細くなり、チリチリも出やすくなります。
12/JU-NIを使い続けることで潤いのある扱いやすい髪になることを期待できるでしょうか。
■多胡
加齢によって髪質にうねりが出やすくなることに加えて、白髪が増えて白髪染めの回数が増えることで髪が傷みやすいのではないかと思います。
ブリーチ、パーマ、白髪染めなどの化学的な処理を一度すると、シャンプーのたびに髪のタンパク質が流出しやすくなり、引っ張ったときにちぎれやすくなります。
12/JU-NIは加水分解タンパク質を大量に配合しているので、使い続けると健康な髪に近づいていき、ツヤも出てくると思います。
市販の白髪染めでもダメージはかなりあるんですか?
■多胡
化粧品に分類されているもの(ヘアマニキュア、酸性染毛料など)はそれほどでもありませんが、医薬部外品に分類されているもの(ヘアカラー、白髪染め、ブリーチなど)は、かなりダメージがあります。
ドライヤーの熱も髪によくないようなイメージですが、12/JU-NIの説明書には使ったほうがよいと書かれていますね。
■多胡
はい、熱によって加水分解タンパク質が髪の傷んだ部分に結合するようにしてありますので、必ずドライヤーでしっかり乾かしていただきたいです。
熱によって成分が髪に結合するとなかなか離れないため、補修効果がとても長続きします。
ドライヤーに加えてアイロンを使っても大丈夫ですか?
■多胡
はい、熱ダメージから髪を保護する効果もあるので、一般的な使い方でしたら問題ありません。
コンディショナーはすぐに流さず、全体になじませてから3分ほどおいてから洗い流していただくと本来の効果が出るようになっています。
●鹿嶋
白髪染めの色持ちがよくなるという特長もあります。
白髪染めを繰り返すと白髪の中も傷むので、色が抜けてキンキンになりやすいんです。
12/JU-NIは使うたびにダメージヘアを補修していくので、色持ちがよくなります。
特に美容院で白髪を染めた後など、続けて使っていただくとよいと思います。
ありがとうございました!
しばらく使い続けて、またブログのほうにレポートをまとめたいと思います!
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参考になるサイト
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取材・テキスト 中山薫
ライター/エディター
編集プロダクション勤務を経てフリーライターとして独立。大手新聞社の月刊誌などで医療・健康分野を中心に取材活動を続けた後、現在は文化系法人専属の編集者。近年は20〜30代のクリエイター取材にも取り組んでいます。
生まれつき強いくせ毛。年齢とともに髪が細く広がるようになり、雨と風の日はファッションウィッグを使用。介護施設で美容ボランティア(洗髪後のドライヤー係)、ウィッグサロンで販売と相談業務の経験あり。